予防理学

皆さんこんにちは!脳梗塞リハビリステーション山口センター長の三浦です。

世間は、やはりコロナコロナで自粛ムードですね。私も、近所の米泉湖をウオーキングしたぐらいで、ほとんど自宅で過ごしていました。窓を開けると心地よい風が吹いてきてゆっくりと家族と過ごす事ができましたよ(´∀`*)ウフフ

今回は、閉じこもりな生活を送ることが多い環境となり、国の支出が増え続ける中でどのように私たちが関わっていけるのかを考えていきたいと思います。

近年、予防が注目されている一番の要素は社会保障費の増大による影響が考えられます。少子高齢社会により医療費、介護費、年金等社会保障費が増大しています。このような社会において、社会保障費を抑制するためには、誰もが健康で医療費や介護費を使わないことが重要です。そのためなるべく多くの人が健康で快適な状態を保てるようにする「予防」が注目を集めています。高齢者の介護予防はこれらを理解するのにわかりやすいと思います。理学療法士の一番身近なところで、転倒予防を実施することで高齢者の転倒が減少すれば、大腿骨頚部骨折などの骨折患者が減少し、医療費、介護費の抑制につながります。

また歴史の中で医学の発展は、病気の原因の追究から、治療法の確立へと順序だってきました。そこから更に進んで今は病気にかからないように予防の研究がより盛んになってきたのも、予防が注目を集める要因となっていると考えます。例えば、今回の新型コロナウィルスであれば、感染症の原因となるウイルスの特定が最初の研究の中心で、ウイルスが特定されれば、治療法も確立されます。さらに、そこからどうすれば感染しないかといった予防法が研究され、予防接種やその他の予防策が明らかになってきています。このような予防については、昔から公衆衛生の分野で感染症について、また衛生環境や栄養の観点から研究も盛んに行われてきました。

今回は、高齢者ではなくコロナで自宅待機を余儀なくされている小学校から高校生くらいを想定して書いていきます。普段、病院、施設等で理学療法士として勤務していても中~高齢者が多く、この年代の患者といえば、その多くは外傷などによる骨折やスポーツでの怪我が多いのではないでしょうか。病院でリハビリテーションを担当しているということは、何らかの病気・怪我があり、通常3次予防の部分になるでしょう。では、1次予防・2次予防ではどのような関わりがあるのでしょうか。 近年、学童期の肥満や脊椎変形が問題となっています。小児肥満の約70%は成人肥満やメタボリックシンドローム(以下、メタボ)に移行すると言われており、脊柱変形は成長に悪影響を及ぼし、腰背部痛や呼吸機能障害などを引き起こすこともあります。これらを予防していくことは重要となります。

小児の肥満の原因には、テレビ、ゲーム、塾通いなどの時間が多くなり運動の機会が低下していることが一因となっています。またインスタント食品などの栄養の偏り、生活習慣の乱れも原因となるでしょう。これらを予防するためには、食事などの生活習慣の見直しや運動習慣を身につけることが重要です。運動療法の専門家である理学療法士は、子どもの運動習慣の定着に貢献できる可能性があります。しかし、子どもに運動しましょうと指導するだけでは不十分で、楽しみながら体を動かすような機会づくりやスポーツを通じた運動習慣の定着を目指す必要があります。また子どもだけでなく、両親に対して運動の必要性を伝えていくことも必要だと思います。肥満予防であれば1次予防、肥満の子どもに運動指導などであれば2次予防に該当するでしょう。


学童期の代表的な脊柱変形は、脊柱側弯症と脊柱後弯症(いわゆる猫背)があります。脊柱側弯症の原因の80%が原因不明の特発性とされていますが、以前話した不良姿勢などの生活習慣や体幹筋の筋力低下が原因となることもあります。原因不明の特発性側弯症の発生を予防することはできませんが、進行予防が重要となり、体幹筋の筋力強化や柔軟性の保持といった運動療法が有効です。その他、装具療法や不良姿勢や鞄の持ち方など細やかな生活習慣の指導も必要となります。これらは重症化予防の観点では2次予防のひとつになります。

また1次予防の観点では、学校保健安全法により、2016年より学校での運動器検診が開始されています。学校医には整形外科医が少ないため、理学療法士と学校医が連携して運動器チェックする試みが始まっています。これらが始まった背景には、上述したような小児の肥満や脊椎変形の問題だけでなく、反対に小児期からの競技スポーツによる身体への負担の増加・使い過ぎによるオーバーユースや成長障害も多くなっており、2極化が進んでいることも要因としてあります。そのため、体育の授業等での運動機能評価や部活動などでのオーバーユースによる成長期の運動器障害の予防やアドバイスなども求められます。そのため、理学療法士は発育・発達上の特徴やオスグットシュラッター病などの成長期に起こりやすい病態などを理解する必要があります。

部活動での活動も必要

思春期では学童期と同様に肥満、メタボへの対応(生活習慣病予防)と同時に部活動・クラブ活動などスポーツへの関与がより求められます。この時期は、ストレッチなどのウォーミングアップ・クールダウンといった身体のセルフケアの重要性などを啓蒙する必要があります。これは成長障害や怪我を予防する観点からも重要です。  自分の経験でも小学・中学・高校・大学と野球をやってきましたが、社会人となり若い時ほど怪我への意識が低く、ウォーミングアップやクールダウンをするよりもすぐにボールを投げて、試合をしたりと、ストレッチをないがしろにしていました。それが影響してか、現役から引退して野球をしだして怪我も多くしましたし、ぎっくり腰を経験しました。|д゚)

中学生では、中学1年生でも3年生でも同じ練習メニューが行われることがあります。しかし、成長期には個人差があり、負荷のかかり方が違うことなども留意する必要があるでしょう。つまり、中学1年生で、まだ成長期を迎えていないほぼ小学生の体格の子と、中学3年で成長期もほぼ終わり高校生並みの体格をしている子が混在しています。こうしたメニューで私は第五腰椎分離症を経験しました(*´Д`)

競技スポーツレベルになると怪我の予防の観点からテーピングをすることもあります。私たちの時代では、テーピングと言えば、怪我をした足などを固定するものとして理解されていました。しかし、現在は捻挫予防などであらかじめテーピングして練習・試合をすることがあります。そのような場面でも対応するためにはテーピングの技術・知識が求められます。このように部活動やスポーツによって怪我を予防することは1次予防に分類されます。

スポーツに関わりたいと思って理学療法士を目指した方は多いと思いますが、プロスポーツだけでなく、小学校~高校の部活動・クラブ活動に関与するニーズは増えています。しかし、実際は部活動レベルではコーチを雇うことすら難しく、ましてやメディカルスタッフを依頼することは壁が高く、ハイレベルなチームに限られているのが現状でしょう。  理学療法士としてもスポーツに関わりたい人はまずはプロボノ(各分野の専門家が、職業上持っている知識やスキルを無償提供して社会貢献するボランティア活動全般。また、それに参加する専門家自身)としてスポーツ分野の経験を積むためにボランティアで部活動のサポートをすれば、自分のためにも、学生のためにもなるのではないでしょうか。

このように病院や施設などで理学療法士として働いている場面ではなかなか遭遇しない、学童期から思春期でも予防の分野で理学療法士の活躍の可能性があります。主に3次予防で活躍する理学療法士の基本的な知識・技術は1次予防・2次予防でも大いに役立ちます。興味がある分野があれば、自ら調べてみて、キャリアアップのきっかけにしてください。

今後もコロナに負けずに頑張りましょう(^^)/

                              それではまた(^_-)-☆



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